そのイライラ、不安、落ち込み、本当に「性格」のせい? 心の声の正体と超攻略法
「はぁ、またイライラしてる…」「なんでこんなに不安なんだろう?」「もう何もかも嫌になる…」
もしかして、あなたもこんな風に、ネガティブな感情の渦に巻き込まれてしまうこと、ありませんか? 友達とのLINEのやり取り、バイトでのちょっとしたミス、推し活のイベントが外れたこと… 日常のささいな出来事がきっかけで、気分がドン底まで落ち込んだり、怒りが爆発しそうになったり。
「まぁ、これが私の性格だし…」「周りが悪いんだもん!」なんて、諦めモードになっていませんか? でも、ちょっと待って! 実は、その感情の裏には、あなたの心の中にひっそりと隠れている「あるもの」が大きく関係しているかもしれないんです。
今回は、心理学の「理性感情行動療法(REBT)」っていう考え方をベースに、私たちの心をかき乱す「心の声」、つまり「信じ込み」のヒミツを徹底解剖! そして、その信じ込みをどうやって理解して、もっとご機嫌な自分になれるのかを、具体的な例を交えながらじっくり見ていきましょう。
「ABC理論」って何? 感情が生まれるカラクリを解き明かせ!
まず、REBTが教えてくれる「ABC理論」からスタート! これを知れば、あなたの感情がどうやって生まれているのか、そのカラクリが丸わかりになります。
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A (Activating Event:出来事):私たちに「うわ、最悪…」って思わせるような出来事や、ちょっとムカつく状況。
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B (Belief:信じ込み):その出来事に対して、私たちが心の中でつぶやく「心の声」や「思い込み」。これが今回の主役!
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C (Consequence:結果):B(信じ込み)によって引き起こされる、あなたの感情や行動。
多くの人は、「A(出来事)があったから、C(感情)になったんだ!」って考えがちですよね。例えば、「友達にドタキャンされた(A)から、マジでムカついた(C)」みたいに。でも、REBTは「いやいや、違うんだな、これが!」って言うんです。私たちの感情(C)は、A(出来事)そのものじゃなくて、B(信じ込み)によって生まれてるんだよって。
考えてみてください。同じドタキャンをされたとしても、ある人は「まぁ、仕方ないか」ってサラッと流すのに、別の人は「はぁ!? ありえないんだけど!」って激怒するかもしれない。この違いを生み出しているのが、そう、「信じ込み」なんです。
感情にも「いい感情」と「悪い感情」があるってホント?
REBTでは、ネガティブな感情にも「健康的なネガティブ感情」と「不健康なネガティブ感情」の2種類があるって教えてくれます。
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健康的なネガティブ感情
例:ちょっと残念、がっかり、モヤモヤする、イラッとする
これらの感情は、目標達成の邪魔になることに出会ったときに、「よし、次はこうしよう!」って前向きな行動につながるヘルシーな感情なんです。例えば、友達にドタキャンされても「残念だけど、次からは前日にも確認しとこっかな」って、次に生かせる感じ。
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不健康なネガティブ感情
例:絶望、パニック、激怒、自己嫌悪、どうでもいいってなる
こっちの感情は、目標達成を遠ざけちゃったり、余計な苦しみを生み出したりする、ちょっと厄介な感情。激怒して相手に八つ当たりしちゃったり、落ち込みすぎて何も手につかなくなっちゃう…そんな状態ですね。
どっちも「ネガティブ」な感情には変わりないんだけど、その「質」が全然違うってこと。そして、この質の差を作り出しているのが、次に説明する「論理的な信じ込み」と「非論理的な信じ込み」なんです。
あなたの心を支配する「2つの声」:どっちを信じる?
私たちの心の中には、大きく分けて2種類の「信じ込み」が存在します。
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ポジティブな信じ込み(論理的な信じ込み:RBs)
現実的で、筋が通ってて、自分にも他人にも状況にも、柔軟に考えられる優しい「心の声」です。論理的な信じ込みは、困難な状況でも、問題解決につながる健康的なネガティブ感情を生み出してくれます。 -
ネガティブな信じ込み(非論理的な信じ込み:IBs)
非現実的で、筋が通ってなくて、自分にも他人にも状況にも、「〜すべき!」「〜でなければならない!」って、極端で頑固な考え方をする「心の声」です。この非論理的な信じ込みが、私たちを苦しめる不健康なネガティブ感情を生み出す元凶なんです。
誰だって、論理的な信じ込みも非論理的な信じ込みも両方持っています。もし論理的な信じ込みが、非論理的な信じ込みに勝っていれば、たとえ嫌なことがあっても、あまり動揺せずに、ヘルシーな感情で乗り越えられるはず。でも、非論理的な信じ込みが優勢になっちゃうと、私たちはすっごく辛い気持ちになっちゃうんです。
あなたを苦しめる「絶対主義者」の正体! 非論理的な信じ込みってどんなもの?
じゃあ、具体的にどんな「信じ込み」が、私たちを苦しめる「非論理的な信じ込み」なんでしょう? REBTでは、これらを「『絶対こうあるべき!』っていう3つの強い思い込み」としてまとめています。
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自分への「絶対こうあるべき!」:「私は、周りの大事な人たちから『すごい!』って思われて、何でも完璧にこなさなきゃいけない!」
これは、不安になったり、気分が落ち込んだりする原因になりやすい信じ込み。「失敗しちゃダメだ」「認められなきゃ意味がない」みたいな完璧主義的な考え方は、ちょっとしたミスも許せないし、ものすごいプレッシャーを生み出しちゃいます。 -
他人への「絶対こうあるべき!」:「あなた(相手)は、いつも私に優しくて、公平に接するべきだ!」
これは、怒りの原因になりやすい信じ込み。「あの人はこうすべき!」「私を尊重するべきでしょ!」みたいな、相手への一方的な期待は、それが叶わないときに、激しい怒りや憎しみを爆発させちゃうんです。 -
状況への「絶対こうあるべき!」:「物事は、常に私の思い通りに進むべきだ!」
これは、「もう無理!」って投げ出したくなったり、怒りがこみ上げたり、落ち込んだりする原因になりやすい信じ込み。「こんなはずじゃなかった…」「なんで私だけこんな目に…」みたいな、人生の不公平さや、都合の悪い出来事への過度な拒絶は、現実を受け入れられずに、絶望したりイライラしたりする気持ちにつながります。
これらの「絶対こうあるべき!」っていう考え方は、しばしば次のような「非論理的な結論」を生み出します。
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破滅的な見方(Catastrophizing):「やばい、私、めっちゃ失敗した!もう人生終わった…」「あいつ、マジでひどいことした!許せねぇ!」
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低い欲求不満耐性(Low Frustration Tolerance):「もうこんなの耐えられない!」「この状況、マジで無理!」
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自分・他人・状況への非難(Damnation):「私ってホントダメ人間だ、罰当たっても仕方ない…」「あいつ、マジでクソ野郎だ、天罰が下ればいいのに!」
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過度の一般化(Overgeneralization):「一度失敗したから、もう一生成功しない!」「あいつ、一回裏切ったから、もう二度と信用できない!」
「あ、これ、私かも…」って思った人も多いんじゃないでしょうか? 私たちは、こんな非論理的な信じ込みにとらわれちゃうと、ちょっとした不都合を「世界の終わり」みたいに捉えて、必要以上に自分や他人、状況を責め立てて、現実から目を背けちゃうんです。
具体例で見てみよう! ドタキャンされた時の「心の声」
ここで、さっきの「友達にドタキャンされた」っていう例で、論理的な信じ込みと非論理的な信じ込みが、どう感情に影響するかを具体的に見てみましょう。
【A:出来事】 大事な約束を友達にドタキャンされた。
【非論理的な信じ込みの場合】
「あいつらがドタキャンするなんて、絶対ありえない!許せない!」
「こんなことするなんて、あいつらマジで最低な人間だ!罰せられるべき!」
「こんなひどい目に遭うなんて、私には耐えられない!」
「こんなことになったら、私の予定も、もうめちゃくちゃだ!最悪!」
【C:結果】 激しい怒り、憎しみ、パニック、絶望。友達関係がぶっ壊れる。
この場合、あなたは友達の「行動」だけじゃなくて、「人間性」まで全否定しちゃってますよね。結果として、怒りに任せて友達を罵倒しちゃったり、もう二度と口をきかない!って関係を完全に断ち切っちゃうかもしれません。これは、あなた自身も苦しくなるし、何の問題解決にもならない「不健康な感情」と「破壊的な行動」につながっちゃうんです。
【論理的な信じ込みの場合】
「ドタキャンは残念だ。正直、してほしくなかったな。」
「彼らの行動は私にとって不都合だし、不公平だと感じる。でも、彼らが常に完璧である必要はないよね。」
「この不都合は嫌だけど、私はそれを受け入れて、どうにか対処できる。」
「彼らの行動は残念だけど、彼らには他にも良いところがある。この一件だけで彼らの全てを決めつけるのはやめよう。」
【C:結果】 ちょっと残念、不満、モヤモヤする。問題を解決しようと行動する。
この場合、あなたは友達の「行動」は批判するけど、「人間性」までは否定していません。結果として、「次からはもっと早めに確認しとこうかな」「今回みたいなこと、もう嫌だから、ちょっと距離置こうかな」みたいな、建設的で論理的な判断ができるはずです。怒りに囚われることなく、友達との関係を改善するチャンスを残したり、少なくとも自分にとってより良い選択ができるようになります。
なんで私たちは「非論理的な信じ込み」を持っちゃうんだろう?
人はなんで、自分を苦しめるような非論理的な信じ込みを持っちゃうんでしょうね?
一つには、小さい頃の経験や親からの教えが大きく影響すると言われています。「〜すべき!」っていう親の厳しい期待に応えようとしすぎたり、完璧を求められたりすることで、自分にも他人にも完璧を求めるようになっちゃうことがあります。
あとは、人間って問題解決能力はすごいんだけど、だからこそ「自分で自分を助けよう」とも、「自分で自分を滅ぼそう」とも考えやすいっていう性質があるんです。つまり、自分の願望や「こうだったらいいな」っていう好みを、いつの間にか「こうでなければならない!」っていう「絶対的な要求」にエスカレートさせちゃう傾向があるってこと。「あぁなったら最高なのに」が「あぁならなきゃダメだ!」に変わっちゃうわけです。
そして、悲しいことに、私たちは一度心に染み付いた信じ込みを大人になっても持ち続けて、さらに自分自身でその「おかしいな?」って部分を強化しちゃうこともあるんです。
過去にとらわれず、今、変わる! REBTのすごい力!
心理分析みたいに、子どもの頃の経験を何年もかけて振り返るだけじゃ、なかなか感情や行動って変わらないですよね。REBTは、あなたが「今」、どんな非論理的な信じ込みを持っているのかにガッツリ焦点を当てて、それを「今」変えることをめちゃくちゃ大事にしています。
たとえば、小さい頃にどれだけ理不尽な扱いを受けて、その影響を今も引きずっていたとしても、大人になったあなたには「自分で選ぶ力」があるってREBTは考えています。あなたの感情や態度、行動は、親とか過去の出来事によって全部決まっちゃうわけじゃないんです。あなたが「今」、どう考えて、どう行動するかを決められるのは、あなた自身だけなんです。
非論理的な信じ込みを見つけて、変える最強ステップ!
じゃあ、実際にあなたの心の中に潜む非論理的な信じ込みをどうやって見つけて、どうやって変えていけばいいんでしょう?
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自分の感情をチェック!(C)
まず、自分が「怒り」「不安」「落ち込み」みたいな「不健康なネガティブ感情」を感じている瞬間に「あ、今私、イライラしてるな」って気づくことがスタートです。 -
出来事を特定する!(A)
その感情が引き起こされた「出来事(A)」は何だったのかをハッキリさせます。 -
信じ込みを探る!(B)
そして一番大事なのが、その出来事に対して「何を考えていたか(B)」を探ることです。
「あの時、自分は何を相手に、状況に、自分に求めてたんだろう?」
「何が『〜すべきだ』『〜でなければならない』って強く感じてたんだろう?」
もしすぐに信じ込みが思い浮かばなくても大丈夫! REBTでは、次のような質問を通して、あなたの心の中の非論理的な信じ込みをあぶり出していきます。
【怒りの感情の場合、よくある非論理的な信じ込み】
「あなた(相手)が私にこんなひどいことするなんて、マジでありえない!」
「あなた(相手)のこの無責任な行動は、私には到底耐えられない!」
「あなた(相手)は、絶対に、絶対に、私にこんなことするべきじゃなかった!」
「あなた(相手)はこんなひどいことしたんだから、悪い奴で、罰せられて当然だ!」
【不安の感情の場合、よくある非論理的な信じ込み】
「もしこのプロジェクトが失敗したら、あまりにヤバい!どう対処すればいいか分からない、最悪だ!」
「こんな状況でプレッシャーを感じるなんて、私には耐えられない!」
「私はこんな窮地に追い込まれるべきじゃなかった。こんなことを許してしまうなんて、私ってホント無力だ!」
「私はこの問題を絶対に解決しなきゃいけない。もしできなかったら、私はダメ人間だ。こんな扱いを受けても仕方ない!」
(不安の信じ込みは、他人じゃなくて自分自身に向けられることが多いですね。)
【落ち込みの感情の場合、よくある非論理的な信じ込み】
「こんな事態になるなんて、あまりにもひどすぎる!」
「こんなこと、私には耐えられない!」
「物事はこうあるべきじゃなかったんだ!私にとってあまりにも都合が悪すぎる!」
「何もかも思い通りにいかない。人生って私に不公平だ。こんな人生であるべきじゃない!」
(落ち込みの信じ込みは、状況や客観的な条件に向けられることが多いです。)
これらの「心の声」に気づいたら、それが本当に現実的で筋が通っているのか、自分を助けるものなのかを「D(Disputing:反論・議論)」っていうステップで問い直していきます。
「それって、本当にそうかな?」
「その考え方、自分にとって何の役に立つの?」
「その考え方には、論理的な根拠があるの?」
「その考え方を持っていたら、自分はどうなっちゃうんだろう?」
あなたの人生をよりハッピーにする「しなやかな考え方」へ!
REBTは、「〜すべき!」っていう絶対的な考え方を「〜だったら嬉しいな」「〜した方が良いな」っていう、しなやかな考え方に変えることを目指します。
「私は完璧にうまくやるべきだ!」
→ 「私はうまくやれたら嬉しいけど、完璧じゃなくても大丈夫。たとえ失敗しても、そこから学んで、成長できるもんね。」
「彼は私に優しくするべきだ!」
→ 「彼に優しくされたら**嬉しいけど、彼にも彼の事情がある。**彼の行動は私にとって不公平だと感じるけど、彼を全否定するんじゃなくて、私の気持ちを伝えて、話し合ってみようかな。」
「物事は私の思い通りになるべきだ!」
→ 「物事が私の思い通りになったら嬉しいけど、そうならないことだって普通にあるよね。都合の悪いことにぶつかっても、私はそれを受け入れて、ベストを尽くせるはず。」
こんな風に考え方をシフトしていくことで、あなたは余計な怒り、不安、落ち込みから解放されて、もっと健康的でポジティブな感情や行動を選べるようになります。怒りって、人間関係を壊しちゃう原因の一つだけど、REBTを使えば、お互いを尊重した上で、人間関係を立て直すチャンスも生まれるんです。
まとめ:あなたの「心の声」が人生を変えるカギ!
私たちは、心の中で抱いている「信じ込み」によって、いい方向にも、悪い方向にも大きく影響されます。非論理的な信じ込みは、私たちを苦しめて、目標達成の邪魔をして、人間関係を壊してしまう可能性だってあります。でも、それに気づいて、論理的な信じ込みに変えていくことで、私たちはもっと充実した、幸せな人生を送れるようになるんです。
この変化は、いきなりガラッと変わるものじゃないかもしれません。でも、意識的に自分の「心の声」に耳を傾けて、それを「本当にそうかな?」って問い直すことから始まります。あなたも今日から、自分の心の中にいる「絶対主義者」に挑戦して、もっとしなやかで、もっとパワフルな「論理的な自分」を発見してみませんか?




